私がPCハードを組み立てたり、OSをインストールしたり、ネットワークを構成変更した場合、ゲームがプレイできる環境かどうかを確認するために利用しているのが Blizzard社のDiabloというゲームシリーズ。
昨年 AD2700-ITXや B75チップセットボードにWindows7やXPを入れたときに、グラフィックスの動作確認を行ったのが、Diabloシリーズのゲームでした。UDPを使ったネットワークプレイが出来るので、ネットワークの動作確認にも好都合。
システム管理とはゲームは直接関係ないものの、私は、ディアブロシリーズのゲームバランスからくるプレイ中の心理状態や、ゲームシステムに含まれる仕組みが、コンピュータシステムを設計する場合に制約あるリソースをどのように効率よく使うか、思い入れがあるリソースをどう取り込むか などの取捨選択に通じるところがあると感じます。
そこで、Diablo3マルチプレイについての感想をDiablo2と比較しながらメモしておきたいと思います。
Diabloシリーズは、DiabloがWindows95とPPC Mac用にリリースされたのが、1997年頃。昨年(2012年)5月にDiablo3が発売になった息の長いマルチプレーヤ対応ロールプレイングゲームです。シリーズ通じて、ゲームを購入するだけで、その後は月額プレイ料金は不要。ゲームプレイに関しても追加料金無しで何年でもプレイが出来ます。(いつまでもマルチプレイに参加してくれる人がいるかどうかは別問題。)今でも、Amazonで Diablo: Battle Chest として入手が可能というのがすごい。(ただし日本語版は新規販売されていないため入手が難しい。)内容を一言で書くと、勇者がクエストをこなしながら現れる敵を次々に倒してゆき最後に地獄の王を仕留めるというもの。
Diablo3 は前作 Diablo1, Diablo2 とは異なる味付けがされていますが、前作ユーザーなら楽しめるはずです。ゲームレビューサイトを見ると、アイテムドロップパターンが厳しいとか、現金オー クションを使わないと進めないとかのコメントを見かけることがありますが、パッチ ver. 1.06でプレイする限りにおいては前作と比較して特にアイテムドロップパターンがゲーム難易度と一致していないということは無いというのが私の感想で す。Diablo, Diablo2 を楽しいと感じた人は、Diablo3を楽しくプレイできるでしょう。パッチ1.07もプレビュー中で、更新内容を見る限り、更にゲームをプレイしやすく なるようです。(重宝していたアイテムや技に調整が入り決断を迫られる可能性もありますが、敵のまっただ中で復活するようなことは無くなりそうです。)
Diablo3 は敷居が高いと感じる場合は日本語化されていないためかも。ゲームストーリー全体を把握することによって楽しさを感じる人の場合は、日本語版が存在してい たDiablo2と比べて、ゲームとは別にストーリーを記述したサイトを参照する必要があります。英語に強くないとプレイ中に登場人物が勝手にぺらぺら喋 る会話をリアルタイムで理解するのが難しいかも。字幕表示を切り替えるスイッチは付いているので、オンにすると若干会話の意味を把握しやすくなると思いますが会話ボリュームを下げて会話を無視してもいいと思います。ゲーム背景にこだわるなら、diablo3 wiki などを参考にすればいいでしょう。
ひたすら敵を倒すことを楽しめるタイプなら、次にクリアすべきクエストは簡単な英語で表 示されるし、画面上に表示されるマップに黄色い光で次に進むべき方向やポイントが示されるため殆ど苦労しないはず。出てくるモンスターを倒し、エリアを探 索し、黄色い目印を見つけたらその方向に進んで出てくる敵を倒すという作業を繰り返せば、一応ゲームをクリアできるはず。Act2の避難イベント、 Act3のカタパルトがちょっと異質かもしれないが、そこはマルチプレイに参加して他のユーザーに付いて行けばだいたいゲームの流れはわかるはずです。
初めて未知の相手と、しかも日本人とは限らないし年齢も不明な人とネットプレを行う場合、参加の流れがわからないため尻込みしてしまい、私の場合Diablo3 のマルチプレーを行う踏ん切りが付くまでしばらく掛かりましたが、参加してみればとっても簡単でした。
Battle.netでのマルチプレイの仕方が前作と比べて簡単になっています。HDD保存キャラを使うのではなく、サーバー保存キャラ使用タイプのマルチプレイヤーゲームへの参加について比較してみます。
D2では最大8人までで、ゲーム名とパスワードを仲間に伝えて一つのゲームに入るか、パスワードを付けないオープンゲームを適当に探してジョインするという方法でした。
D3では最大4人が同時にプレイできるようになっており、Publicとして作られているゲームを選択すれば、サーバー側で自動的にジョインするゲームを 割り振ってくれます。シングルでプレイする場合もサーバーへのログインが必要ですが、(Monster Power 0でプレイしていれば)途中からパブリックゲームに変更することも出来るため、この先の敵は一人で倒せないんだがな~と思ったときに、他のプレーヤーに手 伝ってもらうようなことも出来ます。後からジョインした場合は、一番近くの町に出現するので、Way point の近くにある旗を選べばプレイ中のキャラクターまでテレポートできます。画面右に進行中のクエストが表示されているので、それと旗にマウスポインターを合 わせたときに表示される名称を比べればキャラクターの所在地を特定できるためどの旗に入るべきかを決めることが出来ます。殆どの場合は、同一場所でプレイ しているか、町でアイテム整理をしているかですが。D2から改善されているポイントとしては、別のキャラが移動した場所が自分の地図にも表示されるのでダ ンジョンなどの入り口探しがとっても便利。
一度一緒にプレイしたユーザーアカウントは自分のゲーム記録に残ってユーザー情報を参照できるようになるため、あとから友達登録したり、自分のゲームへの 招待、招待してくれるように要求を出したりすることが出来ます。Publicでゲーム中に、友人を招待することも出来るし、ゲーム内でのチャットはデフォ ルト英語ですが日本人同士なら日本語チャットも可能です。(複数句の変換がやっかいなのでおすすめはしませんが。)メールやDiablo系フォーラムなどでアカウント名を交換すれば、手作業での友達登録できますから、Diablo2の時よ りもマルチプレーヤーモードは充実していると感じます。無言で淡々とゲームを進めても何ら問題ない感じです。マルチプレー時の注意点としては、ゲーム内 でキーとなる重大イベントが発生すると、画面にダイアログボックスが表示され、Yesと答えると強制的にイベント画面にテレポートさせられ、Noと答える と一人だけ置いてけぼりになります。ゲームから席を外しているユーザー(AFK)がいるときに重大イベントが発生するとYes/Noを選択しないため60 秒間の待ちタイマーが発生してゲームがストップしてしまいます。これは結構しらけるため、こういうプレーヤーがいる場合はメンバーが抜けてゆくことも発生 します。(パークするモードがあるのかどうかは未確認。)
Quick Joinを有効にしている友達関係を登録しているユーザーがいる場合、キャラクターレベルが一致していれば相手のプライベートゲームに(Monster Power 10でプレイしていたとしても)参加することが出来ます。きわどい戦闘中に参加人数が増えると敵ライフが上昇するので、キャラ死亡の憂き目にあいたくない 場合は、Quick JoinをOffにしておくべきでしょう。
ここら辺でネットプレイの話題もメモに残しておくことにします。
初代Diabloは、ダイヤルアップの時代でしたので、ネットプレイを行う場合PCのPPPシリアルポートに直接グローバルIPアドレスが割り振られていました。Battle.netに接続できれば、最新バージョンに自動アップデートされますから今でもプレイ可能です。問題は、今DiabloをWindowsマシンにインストールすると、現在のネット環境でダイヤルアップする環境は、まずありませんから、ルーター越えが必要になるはずです。新規インストールしたDiabloは最新パッチがインストールされていないため、ルーターを越えてBattle.netに接続できない症状が発生するはずです。つまりシングルプレイしかできない。
今、Diablo1 Battle.net をプレイしたい場合は、Diablo をインストールした後、ネットで配布されている drtl109.exe か drtl109b.exe をダウンロードしてパッチ当てを行った後、Battle.netに接続すればルーター越え可能なはず。しかし、今のWindows7やXPの下位互換モードで 2MBビデオメモリ/256色時代のゲームがちゃんと動くのか?という課題もあります。ビデオチップによっては映像がちゃんと表示されないのではないかと思います。最悪の場合、Virtual PCかVirtualBoxにWin95 または Win98 を入れて、OSをエミュレーションで動かし、その上でDiabloを起動すればプレイできることは確認済み。ちなみに、battle.net によるネットプレイではなく、同一LAN上でネットプレイする場合はTCP/IPではなくIPXという時代でした。
Diablo2の場合は、IPネットワークで動作するように設計されていますが、UDPポートを使うためUDP 6112-6119 を開けておく必要があります。、まれにルーターのUDPポートが閉じられていてbattle.netに接続できないことがあり、私が以前使っていたルーターは、明示的に UDP 6112-6119 を開けていました。
Diablo3の場合は、UDP 6112-6119 を開いているためかどうかはわかりませんが、今回は何もネットワーク関係の問題が発生せずプレイ出来ています。ちなみにDiablo3に関して私はダウンロード販売を選択しました。このダウンロードというのがすごい仕組みで、サーバーからインストーラをダウンロードするだけでなく、同時刻にダウンロード購入しているユーザー同士でP2P通信を行い、サーバーのネットワーク負荷低減とインストール高速化を図っていました。もし複数の自宅PCにインストールする場合は、同時にダウンロードインストールすればPC同士でP2P通信を始めるので一台ずつインストールするよりも高速にインストールが完了する仕組みでした。(アカウント数分しか同時プレイは出来ません。)よく、こんな仕組みを考えるものだと感心しました。
以上、今年に入ってちょっとハマっているPCゲームのネットワークプレイに関してメモを残してみました。